静岡新聞窓辺⑨(6月1日)掲載分
ジューンブライドとか玉の輿婚とか、昭和の言葉はもう死語なのかもしれません。
ジューン・ブライド
「ジューンブライド・6月の花嫁」なんとも甘美な響きだ。
結婚や家庭を守護する女神JUNOが司る6月に結婚した人は幸せになれるという言い伝え。
純白のウエディングドレスに包まれた幸せな花嫁をイメージさせるこの言葉に、
かつての乙女達は憧れたものだ。
結婚に対する価値観は多様化している。
某女性誌で理想の結婚像についてのアンケート分析を読んで驚いた。
従来型の同居婚が3割、入籍後も別々に暮らす別居婚や週末婚、
家や姓の制約を受けず同居する事実婚、夫婦別姓婚まで含めると
実に回答者の5割近くが従来型でない結婚を理想としていた。
読者層にもよるが時代の変化と共に結婚観も変わったようだ。
一見、利己的で合理的な生き方を希望しているように思えるが、
結婚観が変化しているのは世の中が妙齢の女性達に多くを求め過ぎているからかもしれない。
今や国の発展は女性頼みとなってきた。
「産めよ増やせよ」と「女性活躍」の2つの過大な要請に世の女性達は翻弄されている。
働く女性は昼間目の前の仕事に追われながら頭の片隅で夕飯の段取りをする、
子育て中であれば子供に対する罪悪感とも戦う毎日だ。
結婚するしない、結婚のカタチなど、様々なライフスタイルが受容される時代になった。
日本の女性達は過渡期にいる。
そして自分らしく幸せに生きる道を一生懸命模索している。
いま、独身時代よりも自分らしく生きていると感じる私は
かなりラッキーな人生を得ているのかもしれない。
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