静岡新聞・窓辺⑫『今を生きる』

日本のマザーテレサこと、
故・佐藤初女さんの「命のおむすび講習合宿in三浦海岸」に参加したのは4年前の事。

初女さんが握る「命のおむすび」は、人を癒す、不思議な力を持ったおむすび。
米を祈るように洗う、米が望む水加減、米粒一つひとつが呼吸ができるように、
ふんわりと握る。指を使わず手のひら(たなごころ)で握る。
たかが、おむすびなのに・・これが意外に難しかった・・。

DSC01756

今でもおむすびを作るたびに、この合宿の事を思い出します。


静岡新聞・窓辺⑪(6月22日分)

今を生きる

今年2月に94歳で死去した“日本のマザーテレサ”こと佐藤初女さん。
青森県岩木山の麓にある「森のイスキア」という施設で、
様々な悩みを抱えた来訪者を癒し人生の再出発を支える活動をされていた。
4年前、初女さんと語り合う1泊セミナーに参加した。
温かく深く静かな人だった。
珠玉の言葉の数々に心が震えたが、
中でも一番印象に残っているのは、『今を生きる』という言葉だ。

失敗や挫折した過去に囚われいつまでも悔やみ続けても何も生まない。
また未来のリスクを勝手に想像して不安で行動を興せないのも不毛。
大切なのは今を生きる事。
人生は懸命に生きる毎日の積み重ねで作られて行くという。

最近、キャリア作りに悩む学生や若い世代の方々から相談を受ける機会が増えた。
1億総活躍を期待される社会になり「自分探し」に疲弊する人達が大勢いる。
先が見えない時代で情報の洪水に溺れ人々は自分を見失いがちだ。
他人の価値観に振り回され無理にビジョンやゴールを設定し
そこに向って走るのは結構しんどいのではないかと思う。

今を大切に生きれば、自然とやるべき事が見えてくるものだ。
「これからの時代は何かを求めて走るのではなく
流れを感じて流れに沿って生きていくことが大切」とは初女さんの言葉。
自分に過剰な負荷をかけず自然な流れに乗ったときは
不思議と全てがスムーズに展開する。
悪い事が起こったら、その時の「今」に全力を尽くす。
人生とはとてもシンプルなのかもしれない。

46B2F349-533B-44EB-A218-26F74D3D4FBF

画像・2016年6月22日静岡新聞夕刊窓辺より

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)